CentOS - TeX Live 2012 インストール!

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サーバマシン(CentOS 6.3)に \(\TeX\) のディストリビューションの一つである \(TEX Live\ 2012\) をインストールした際の記録です。 ちなみに、\(\TeX\) とは組版システムで、論文や数式書いたりするソフトです。

当方、ブログ(WordPress)で数式をアップロードする際に、別途作成した画像ファイルをアップしていました。

WordPress には \(\TeX\) プラグインがあって、それを使用すれば \(\TeX\) 画像が作れますが、デフォルトでは WordPress サイトにアクセスに行ってしまいます。 プラグインの設定で自サーバの \(\TeX\) を利用するようにもできるようです。

折角、自宅でサーバを運用しているのですから、サーバで \(\TeX\) を利用してみようと考えてみた次第です。

そこで、今回はサーバ(CentOS)に \(\TeX\) 環境を整備してみました。

以下、作業記録です。

作業メモ

0. 前提条件

  • CentOS 6.3 (i386) での作業を想定していますが、他のディストリビューションでもほぼ同じだと思います。
  • CUI モードでのインストール・利用を想定しています。
  • 作業は全て root ユーザで行いました。
  • \(\TeX\) の詳細(文法等)については、ここでは説明しません。

1. アーカイブダウンロード

TeX Live - TeX Users Group の “download” リンクから “install-tl-unx.tar.gz” をダウンロードして、適当な場所に解凍する。 (当方は “/usr/local/src” にダウンロード&解凍した)

# cd /usr/local/src
# wget http://mirror.ctan.org/systems/texlive/tlnet/install-tl-unx.tar.gz
# tar zxvf install-tl-unx.tar.gz
# cd install-tl-20120830

2. xzdec の準備

CentOS にはデフォルトで xzdec コマンドが用意されていますが、それではインストール中にエラーになります。 Index of /texlive/xz から “xzdec.i386-linux” をダウンロードして PATH の通っているディレクトリに “xzdec” にリネームして配置する。

3. インストール先の変更

デフォルトでは “/usr/local” に “texlive” がインストールされます。 通常、この作業は不要ですが、インストール先を変更したい場合は、”installation.profile” の /usr/local 部分を変更します。 (当方は “/usr/local” ディレクトリに空き容量が不足していた為、やむなく “/home” に変更しました。

# vi installation.profile

  :

# TEXDIR /usr/local/texlive/2012
#  ↓ 変更
TEXDIR /home/texlive/2012
TEXMFCONFIG ~/.texlive2012/texmf-config
TEXMFHOME ~/texmf
# TEXMFLOCAL /usr/local/texlive/texmf-local
#  ↓ 変更
TEXMFLOCAL /home/texlive/texmf-local
# TEXMFSYSCONFIG /usr/local/texlive/2012/texmf-config
#  ↓ 変更
TEXMFSYSCONFIG /home/texlive/2012/texmf-config
# TEXMFSYSVAR /usr/local/texlive/2012/texmf-var
#  ↓ 変更
TEXMFSYSVAR /home/texlive/2012/texmf-var
TEXMFVAR ~/.texlive2012/texmf-var

  :

4. インストール開始

以下のようにして、インストール作業を開始する。 最初に聞かれる質問には “I” で応答する。 インストール完了まで相当(1~2時間)時間がかかります。

# ./install-tl

  :

Actions:
 <I> start installation to hard disk
 <H> help
 <Q> quit

Enter command: I

  :

5. PATH の設定

インストールが終了したら、各種コマンドにパスを通す設定をし有効化する。 (当方は、.bash_profile に以下を追記しました)

# vi .bash_profile
PATH="/home/texlive/2012/bin/i386-linux:$PATH"
MANPATH="/home/texlive/2012/texmf/doc/man:$MANPATH"
# source .bash_profile

6. テスト用 tex ファイルの作成

テスト用に tex ファイル(作成先は任意)を作成してみる。

【ファイル名: test.tex 】

\documentclass[14pt,a4j]{jsarticle}
%--余白の設定 ( A4サイズ: 290 * 210 ) の半分
\setlength{\voffset}{10mm}               %用紙上部の余白
\addtolength{\voffset}{-1in}             %はじめからある余白を消す
\setlength{\hoffset}{15mm}               %用紙左部の余白
\addtolength{\hoffset}{-1in}             %はじめからある余白を消す
\setlength{\topmargin}{0mm}              %上部余白からヘッダーまでの長さ
\setlength{\oddsidemargin}{0mm}          %左部余白から本文までの長さ
\setlength{\headheight}{0mm}             %ヘッダーの高さ
\setlength{\headsep}{0mm}                %ヘッダーから本文までの長さ
\setlength{\textheight}{29\baselineskip} %本文の高さ
\setlength{\textwidth}{270pt}            %本文の幅
\setlength{\marginparwidth}{0mm}         %注釈の幅
\setlength{\topskip}{0mm}                %本文の上部から一行目までの長さ
\setlength{\baselineskip}{11pt}          %行の高さ
%--PageStyle設定
\pagestyle{empty}

\begin{document}

\noindent
\section*{標準偏差}
【不偏分散】
\begin{eqnarray*}
単純移動平均 \ \ \overline{x} & = & \frac{1}{n}{\displaystyle\sum_{i=0}^{n-1} x_{i}}\\
標準偏差 \ \ \sigma & = & \sqrt{ \frac{1}{n-1}{\displaystyle\sum_{i=0}^{n-1} \left( x_{i} - \overline{x} \right)^{2}} } \\
& = & \sqrt{ \frac{1}{n\left(n-1\right)}\Biggl\{n\displaystyle\sum_{i=0}^{n-1}x_{i}^{2} - \left( \displaystyle\sum_{i=0}^{n-1}x_{i} \right)^{2}\Biggl\} }
\end{eqnarray*}\par
【標本分散】
\begin{eqnarray*}
単純移動平均 \ \ \overline{x} & = & \frac{1}{n}{\displaystyle\sum_{i=0}^{n-1} x_{i}}\\
標準偏差 \ \ \sigma & = & \sqrt{ \frac{1}{n}{\displaystyle\sum_{i=0}^{n-1} \left( x_{i} - \overline{x} \right)^{2}} } \\
& = & \sqrt{ \frac{1}{n^{2}}\Biggl\{n\displaystyle\sum_{i=0}^{n-1}x_{i}^{2} - \left( \displaystyle\sum_{i=0}^{n-1}x_{i} \right)^{2}\Biggl\} }
\end{eqnarray*}

\end{document}

7. PDF 作成

以下のようにして、PDF ファイル作成まで実行する。 “test.tex” に間違いがなければ platex コマンドで “test.dvi” ファイルが作成され、dvipdfmx コマンドで “test.pdf” が作成されるはずです。

# platex test.tex
# dvipdfmx test.dvi

8. PDF 確認

作成された PDF ファイルを確認してみる。 (以下は、PDF ファイルを切り抜いた画像)

TEXLIVE2012_SAMPLE

9. PNG 出力について

dvipdfmx コマンドの代わりに dvipng コマンドを使用すれば、PNG 形式の画像ファイルが作成されます。 しかし、tex ファイルに日本語があると以下のようなエラーになってしまいます。

# dvipng test.dvi
This is dvipng 1.14 Copyright 2002-2010 Jan-Ake Larsson
[1
dvipng: Fatal error, VF font /home/texlive/2012/texmf-dist/fonts/vf/ptex/jis/jisg.vf exceeds char numbering limit

当方の場合、日本語を大量に使用するような文章はサーバでは作成しないつもりなので、今の所、これで不自由は感じません。


フォントを別途インストールすることも可能ですが、そこまで必要性を感じないので、デフォルトで使用できるフォントを使用しています。

当方、そんなに頻繁に \(\TeX\) を使用することはないから、使用する時はいつも調べながらになるけど、やっぱり綺麗だね。

以上。





 

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